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ビジネス・トランスフォーメーション ダッシュボード 2025

ビジネス・トランスフォーメーション ダッシュボード 2025

ビジネス・トランスフォーメーション ダッシュボード 2025

日本とシンガポールの比較・分析

🏆 GDI(グローバル・デジタル化指数)国別ランキング 2024
GDI 2024は、世界77か国のデジタル・インフラを「スターター(初期段階)」、「アダプター(導入段階)」、「フロントランナー(先進段階)」の3段階で評価しています。
第20位
日本
スコア: 58.8 フロントランナー
第1位
シンガポール
スコア: 76.1 フロントランナー
出典: Global Digitalization Index 2024
📊 トランスフォーメーションの展望
日本
トランスフォーメーションの成果
19%
完全に成功
61%
成功に至らず
出典: EY Japan Business Transformation Study 2024
シンガポール
ビジネスパフォーマンスへの影響
67%
業務の最適化
58%
運用コストの削減
出典: National Business Survey (NBS) 2024
🚀 トランスフォーメーションの原動力
日本
💻 テクノロジー動向
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025
🌍 マクロ動向
69%
高齢化・労働力の減少
68%
デジタルアクセスの拡大
60%
カーボン削減への投資
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025
シンガポール
💻 テクノロジー動向
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025
🌍 マクロ動向
71%
デジタルアクセスの拡大
64%
地政学的分断・紛争の増加
58%
カーボン削減への投資
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025
🚧 トランスフォーメーションの障壁
日本
主な障壁
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025
シンガポール
主な障壁
出典: World Economic Forum – Future of Jobs Report 2025

Done by: Jocelyn Lim

変革の「人間的な構築」:頭・心・手でつくる本質的な変化

執筆者:ローズ・タン |

「Head・Heart・Hands」フレームワーク

真の変革が失敗する理由は、計画の欠陥ではなく「人」を見落としてしまうことにあります。私たちの経験では、持続する変化には次の3つが欠かせません。

  • Head(明確さ):「なぜ変えるのか」を全員が理解できる、明確で共有されたビジョン
  • Heart(共感): 感情の揺れを乗り越えるための心理的安全性と信頼
  • Hands(実践): 新しいビジョンを日常の行動に落とし込む仕組みと習慣

変革がうまくいかないとき、私たちはまず何を考えるでしょうか。長い間、私は古いテクノロジーや誤った戦略を疑ってきました。しかし、人材業界での10年間、そして特に自社のMission・Vision・Values(MVV)の再定義という長く複雑なプロジェクトを経て痛感したことは、失敗の原因はツールでも戦略でもなく、常に「人」にあるということです。

計画ではなく、「ヒト中心」で考えているかどうか

多くの場合、変革の失敗原因は戦略そのものではなく、人間的な側面にあります。変革が失敗するのは、戦略が誤っているからではなく、変革に不可欠な「感情」と「行動」の土台を見落としているからです。どんなに立派な戦略を描いても、人々の感じ方や反応を無視しては、根づくことはありません。

ここでは、その過程で得た気づき、失敗、そして小さな成功をいくつか共有したいと思います。私がたどり着いた結論は、「真の変革」は、頭(Head)、心(Heart)、そして手(Hands)の3つを結びつけることで初めて成り立つということです。単なるチェックリストではなく、これらを有機的に結びつけることで、人々が変化を自分ごと化して行動することができるようになります。

「Head」:明確で共有されたビジョンを築く

最初の課題は「Head」―つまり基盤づくりでした。単に戦略を掲げることではなく、全員が「ビジョンを自分ごととして理解できる状態」にすることが重要でした。変化を「宣言」するだけでは人は動きません。なぜ変わるのか、その理由を自ら見出せるように導くことが必要です。

GJCでは、私たちを取り巻く環境が大きく変化していることを認識していました。創業から18年、シンガポールの人材市場は当初とはまったく異なる姿になっています。私たちの変革は、「単なる人材紹介会社」から「文化を超えて人と機会をつなぐ架け橋」へと進化するためのものでした。

私たちは「文化を成功の基盤とする橋を築く(Building Bridges Where Culture is the Foundation of Success)」という理念のもと、単なるマッチングを超え、人と機会を国境を越えてつなぐ存在を目指しています。

そのために私の役割は「戦略家」ではなく「意味をつなぐ翻訳者(Sense-maker)」へと変わりました。つまり、何をするかだけでなく「なぜそれをするのか」を全員が理解できるようにすることです。これは、Cultural Intelligence(文化的知性)を発揮することそのものです。

「Heart」:飛躍のための心理的安全性を築く

論理だけでは人は動きません。変革とは、感情と不安が入り混じる複雑なプロセスです。だからこそ「Heart」が重要です。変化の中で生じる不安を受け止め、心理的安全性を確保することが、リーダーとしての中心的な役割でした。

ハーバード・ビジネス・レビューのジョン・P・コッター氏による名論文「Leading Change: Why Transformation Efforts Fail」でも、多くの失敗要因が「コミュニケーション不足」や「従業員の共感欠如」などの人的要素にあると指摘されています。どんなに優れた戦略でも、人が自ら「自分ごと化」して感じなければ実現しません。

この課題に対して、私たちは「フィードバック」と「傾聴」を軸に置きました。MVVアンバサダー制度を導入し、各チームから代表者を選出して、現場の声や不安を拾い上げる仕組みを整えました。抵抗は単なる反発ではなく、より深い懸念の表れであることが多いと気づきました。リーダー自身が学びの過程をオープンにし、耳を傾けることで、信頼と心理的安全性が育まれていきます。

こうした姿勢は、チームの多様性を真の強みに変えるための土台にもなりました。

「Hands」:意図を日常の行動に落とし込む

人々が変化を感じ、信頼を築けたとしても、それを「継続する」ことこそが最大の試練です。ここで重要になるのが「Hands」です。これは、地道で目立たない作業を通じて新しい習慣を根付かせ、変革の意図を現実の行動に変える段階です。

GJCでは、理解と共感を得た後、それを「仕組み化」することに注力しました。MVVを人事評価、目標設定、表彰制度など、あらゆる業務のプロセスに組み込みました。また、オンボーディングのタイミングを重視し、新入社員が初日からこういった価値観を体感できるようにしました。

さらに、定期的なサーベイやヒアリングを行い、プロジェクトの「完了」ではなく変化が実際に「根づいているか」を確認することにも力を入れました。

振り返ると、最も大きな変化はシステムではなく、私自身のリーダーシップのあり方でした。

変革は一度きりの出来事ではなく、常に「人」を中心としたプロセスです。GJCでの経験を通して、明確な思考(Head)、誠実な思いやり(Heart)、そして一貫した行動(Hands)がそろって初めて、本当の変化が生まれると実感しました。

変革を起こすリーダーとしての2つの学び

変革の最前線に立って学んだのは、2つのことです。

第一に、ビジョンは自ら体現するもの。信頼構築は決して誰かに任せることはできません。リーダー自身が毎日その姿勢を示す必要があります。

第二に、価値観を”生きる”こと。言葉で語るだけでなく、チームの働き方や意思決定に組み込むことで、変革は「プロジェクト」ではなく「文化」として定着します。

GJCが掲げる「変革への架け橋」

GJCのHead・Heart・Handsアプローチは、私たちのコアバリューである People・Play・(Em)Power に基づいています。

強く柔軟な文化こそが、変化の時代における最大の成功基盤であると私たちは信じています。

組織変革の真っ只中にある皆さまへ——GJCは、持続可能な文化づくりに関するご相談をお受けしています。

📩 Request Talent – Good Job Creations までお気軽にお問い合わせください。

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ローズ・タン(Rose Tan)

10年以上にわたる人材マネジメントと企業戦略の経験を通じ、「テクノロジーは人の力を増幅させるためのツールである」という信念を持つ。GJCおよびOAIにおいて、コミュニケーションおよびマーケティング機能の構築を主導し、人を中心とした変革の実践を推進している。

対面営業からデータ/デジタル営業へ:B2B営業変革のためのリーダー向けガイド

1.創業当初、伝統を重んじる日本の職人に新しい伸縮素材を扱っていただくことは大きな挑戦だったと思います。変化に対して慎重な相手と信頼関係を築き、共に未知の道を歩むために、どのような戦略を用いたのかをお聞かせください。

2011年にkay meを創業した際、私は「機能性と『きちんと感』を両立させた服」を作りたいと強く思っていました。創業前は経営戦略のコンサルタントをしていたのでその習慣でフィールド調査をしたのですが、やはり購入しやすい価格帯でかつ上記のコンセプトだけを扱うブランドは存在していませんでした。また大阪の呉服屋の祖父母を見ていたので、事業を通じ、日本が誇る繊維業や職人技を守りたいという思いもありました。

当初も今も伸縮性のある表地・裏地を同じく伸縮性のある糸を使って、細かなギャザーやドレープを寄せながら縫製できる職人を見つけるのが難しく、職人の方々にとっても未知の挑戦でした。

私は服飾製造には門外漢でしたが、できるだけマーケットのニーズを形にすることを重視し、やったことがないことも、どのようにすればできるようになるかを素材の企業や縫製・染色の職人さんと話し合い、「不可能を可能に」する道を見出してきました。また、職人さんの工程を学び、プロフェッショナル性に心から敬意を持ち、品質への真摯な姿勢を共有することも大事であると学びました。

現在、日本国内で流通するアパレル製品のうち、日本製比率は戦前の100%に近い値からkay me 創業当時には3%にまで低下、さらにコロナ禍での工場廃業が相次ぎ、現在は約1%にまで減少しています。

2.米国系経営戦略コンサルティング業界のスピード感と、ファッション業界における製品サイクルの長さ、この文化的ギャップをどう乗り越え、スピードと品質を両立させたのでしょうか。

kay meの強みは、もともと合理性を追究する米国系経営コンサルティング会社で培った分析的思考にあります。現在もすべての意思決定において、「ゴールから逆算する」という発想とデータに基づく判断を重視しています。これにより、品質を損なうことなくスピーディに動くことが可能になっています。

創業初期は、デザインから素材調達、広報、販売、カスタマーサービスまで、実妹と2人で全てを担っていました。コンサルティング事業の収益を衣料開発に再投資する形で事業を進めていたため、スピードと精度のバランスが重要でした。

kay meのリーダーシップとは、分析的な厳密さと職人への敬意の融合です。いつアクセルを踏み、いつ集中すべきかを見極め、スピードと卓越性の両立を文化として根付かせています。

この姿勢により、私たちはグローバル展開を迅速に進めることができました。創業当初から英国に法人を設立しメイフェアで2か月に及ぶPOPUPなどを展開。そのころからグローバル直販が可能なWEBサイトを開設しています。現在は、グローバルサイト、シンガポールサイト、日本サイトと3つのオンラインストアを展開。実店舗は日本国内、東京・銀座本店、日本橋店、有楽町店、京都店、梅田店と5店舗、そしてコロナ禍が明けてからは2024年11月にシンガポールの高島屋、2025年6月には香港のSOGO銅鑼湾店に出店を果たしました。

3.真の変革には、従業員の「納得感を伴う協力」が不可欠だと思います。数値的な成果以外に、どのような指標で社員の本質的なコミットメント度合いを図っているのでしょうか。

kay meでは、どのような状況でもポジティブで建設的な思考を持つことを重視しています。課題に直面した際は「できない理由」ではなく「どうすればできるか」を考える姿勢が求められます。

真のコミットメントは、具体的な行動として表れます。

お客様との対話、フィードバックの回収、そしてその気づきを業務に反映させる姿勢に現れます。

社員が共感・好奇心・主体性を持って課題に取り組むことこそ、変革を内側から推進する力になります。これがkay meの文化そのものです。

真のコミットメントは、具体的な行動として表れます。お客様との対話、フィードバックの回収、そしてその気づきを業務に反映させる姿勢に現れます。

4.「女性が職場で輝ける服を」という理念は、社内文化にどのような影響を与えているのでしょうか。

kay meでは、女性のみならず国籍や年齢、出身業界など関係なく意欲ある社員が自らのアイデアを実現できる文化を大切にしています。「意見を言う人」「従前どおりを疑い、新しい道を切り拓く言動」が尊いとされます。また働く時間に制約がある人でも能力を発揮できるように働き方の柔軟性やAIやデータサイエンスを強みとするグローバルチームのもと、業務の効率化を日々追究しています。

女性のみならずどのような境遇の人でも意欲があり新しい価値を出せる人は活躍できる環境です。また、様々な国の有能なタレントを増やしていくため、本社の会議も英語で行い、日本語ができなくても問題のない環境をつくっています。

5. 「働く女性の負担を減らす」というkay meのコアバリューを、社内の変革活動にどのように反映しているのでしょうか。

新しい取り組みを進める際も、全員が会社のビジョンを共有しているため、自発的な貢献が生まれます。社員は自らアイデアを出し、プロジェクトを推進し、フィードバックをもとに改善を重ねます。

最近では、仕事中の血行促進や疲労軽減を目的とした新シリーズ「Yui」を開発しました。これは、社員の問題解決志向と共感力から生まれた製品です。

社員は自らアイデアを出し、プロジェクトを推進し、フィードバックをもとに改善を重ねます。

6. 変化への抵抗は、恐れや不安から生まれます。アジアでは「調和」や「誇り」が重視される文化がありますが、社員の潜在的な不安をどのように把握し、対話を促しているのでしょうか。

kay meでは、本社のみならず販売店舗の社員や派遣スタッフからも毎夜日報が上がってきており、私も携帯端末でほぼすべてに目を通し際立った問題が起きていないかを確認しています。また本社では月曜の朝に生産企画、マーケティング、テクノロジー、店舗運営、カスタマーエクスペリエンスの主要メンバーが一同に集まり、前週の日報すべてに日本語、英語2言語で目を通し、またAIにかけて対処すべきことを発見し迅速に指示を出すセッションがあります。社員の不安があるとしたら、それはお客様に対して誇りが持てないときや、お客様の不安を感じたときであることが多いため、社員を通じてお客様への価値を最大化するための仕組みとしても設けています。これは私の最初のキャリアがベネッセという教育出版社での営業部隊だったのですが、ベネッセという大企業であっても営業担当者の日報を本社の各部門がすべて分析し迅速に対応する文化であったことを真似ています。多国籍チームではありますが、チャットアプリを通じて比較的経営と現場が近く直接社長である私にいろいろな思いを伝えてくれる社員も多くその点も気に入っています。

7.コンサルタントから”人”中心の経営者へ。ご自身のリーダーとしての行動や思考で、意識的に変えた点はありますか。

BCGで培った分析的思考は、今も私のリーダーシップの核ですが、マーケターとしても同時に周囲の声に耳を傾け改善につなげることの重要性も痛感しています。kay meの主な顧客は、弁護士、医師、会計士、経営者、IT・金融・製薬業界などの専門職の方が多く、販売店舗やお客様イベント、日々の会食などを通してキャリアやライフでの課題やどのようにkay me が役立っているか、どう改良をすべきかお聞きすることが多いです。また先述の販売店舗からの日報や定量データを通じても真のニーズやアンメットニーズを理解することを日々心掛けています。

また、創業するまで米国系の経営戦略のコンサルティング業界にいたこともあり、小売りや服飾デザインなどの業界の人たちがもつ発想の仕方や価値観などは新鮮な驚きとともに戸惑いを持つこともありました。

当初は歩み寄りを重視していましたが、組織が大きくなるにつれ多種多様な価値観の人たちと出会う中で、逆に我々が持つ哲学やポリシー、戦略性の部分に共感をしてくれる人たちでないと共に前に速く進むことはできないと気づきはじめました。そこからは、採用の方針なども明確に言語化することができ、現在はどの部門であっても、弊社の特異性に誇りを持ち、そのことが好きで入社してくれた仲間たちと共創していけていると感じます。

8. リーダーは、確信性と謙虚さの両立が求められます。不確実な未来に対して、どのように自信と謙虚さのバランスを取っていますか。

もともと服飾デザインの世界にいなかったことや、マーケティングのコンサルティングを生業にしていたこともあり、良い意味で不確実なときは、マーケットやお客様に直接確認するようにしています。例えば、製品企画の前には顧客調査を実施し、需要を予測します。これにより、無駄のない生産を実現し、環境配慮にもつながっています。

すべての意思決定を、アンケート結果、販売データ、顧客の声といった「数値化された根拠」に基づいて行うことで、共感と結果を両立させています。

9.「Try&Buy」などの顧客主導型のサービスは、どういった現場の声から生まれたのでしょうか。

kay meでは、変革は現場から生まれると考えています。

「Try&Buy」をはじめ、フルワードローブ・エコシステムのアイデアも、すべてお客様や店舗スタッフの声から生まれました。日報や店頭・オンラインでの会話、サービス対応のやり取りなど、現場の声は生きた資産として吸い上げ、どんな小さな気づきも見逃さない仕組みがあります。

製品の生産前から購入体験全体にわたって行うアンケートも欠かせません。これにより、お客様の本当のニーズを正確に把握します。カスタマーサポートチームは、AIツールを使って課題や傾向を素早く分析しますが、お客様への返信はすべて人の手で作成。パーソナライズ、共感、タイムリーな対応こそ、kay meの根幹となる価値です。

アイデアや改善のチャンスを見つけたら、すぐに小さく試す。プロトタイプを作りテストしたうえで、顧客にとって本当に価値があると確認できたものだけを全社的に展開します。こうしてkay meの革新は、常に顧客に最も近い現場の体験から生まれるのです。

10.お祖母様の「人生の意味は何を得るかではなく、他者のために何ができるかにある」という教えが、経営の羅針盤となっているそうですね。

祖母の言葉の「人生は自分が何を手に入れるかではなく、他人のために何ができるかだ」は、私にとって単なるスローガンではありませんでした。それは、祖母の毎日の暮らしのリズムそのものでした。小さな着物店で祖母を見て育った私は、祖母のおもてなしが、お客様の心をどれほど温めるかを実感しました。お客様が店を後にするときの、静かに満ち足りた笑顔、その喜びこそ、私がkay meを通して世界に届けたいものです。その記憶は、創業当初からの私の羅針盤となっています。

この信念が、kay meの意思決定の基盤となっています。国際市場への進出、新しい商品ラインの開発、成長の速度と質の選択といった複雑な局面に直面するときも、私たちはいつも自問します。「この意思決定は、誰かがより自信を持ち、快適さと尊厳を感じながら前に進む助けになっているか?」

私たちの目標は、人々の生活をより軽く、より快適に、そして希望に満ちたものにすること。そのため、kay meのイノベーションは常に人が主導します。女性たちの時間を何千時間も節約できる衣服、日本の職人の技を守り次世代に伝える取り組み、日常の大変さを減らすサービス設計、そのすべてが「人のため」にあります。戦略的な意思決定の基準も同じです。私たちは人々の生活に価値を加えているか、それとも単に騒音を増やしているだけか。

事業を世界へ拡大する際も、単なる規模拡大は追いません。私たちは、使命が本当に人の為になる場所だけで成長します。

日々の挑戦に向き合う働く女性を支え、地域の職人のコミュニティを守り、責任と思いやりが共存する職場文化を育むーkay meのエコシステムのすべてが、この哲学を反映しています。

つまり、kay meの変革は「大きくなること」ではありません。より深くなることー人間性に沿い、ケアにコミットし、祖母の信念に忠実であること。それこそが私たちの本質です。

世界がどのように変化しても、私たちの使命は変わりません。快適さを生み出し、自信を支え、職人の技を敬い、イノベーションを人のために活用すること。 人に代わるためではなく、人を支えるために。この考えこそ、今日だけでなく、次の300年にわたってブランドを築く基盤です。

執筆者:毛見 純子氏
Junko Kemi, founder of kay me

毛見 純子氏

2011年3月東京・銀座にてkay meを設立。前身として2008年にマーケティングコンサルティング会社を設立し代表に就任。起業前は2004年から2007年までBCG(ボストン コンサルティング グループ)にて経営コンサルタントとして勤務し、金融、IT、エネルギー業界を中心にコンサルティングサービスを提供。それ以前にはPwC(プライスウォーターハウスクーパース)にて組織人事コンサルティングに従事。キャリアのスタートは教育出版社ベネッセでのマーケティングおよび営業職。

変革の牽引者: グローバルロジスティクスから持続可能な未来へ

インタビュー担当: Destiny Goh
被面接者: 今北 千佳 氏 プロフィール

本インタビューでは、Greenpac社の最高経営責任者(CEO)である今北千佳 氏より、創業者からバトンを受け継ぎ同社を次のステージへ導くためのリーダーシップ戦略についてお話いただきました。彼女の哲学は、「継承と進化の両立」です。創業時からのサステナビリティへの信念を守りつつ、トップダウン型から自律型の組織文化への変革を目指しています。今北氏は、一貫した行動と共感を通じて信頼を築くことの重要性を示し、単一のリーダーシップ像にとらわれず、全社員が主体的にイノベーションを生み出せる組織を育むことで、すべてのステークホルダーに価値を提供できる強い企業づくりを目指しています。

ご自身のキャリアの歩みと、現在Greenpacの最高経営責任者として掲げている使命についてお聞かせください。

私のキャリアは1999年、アトランタに本社を置く米国の運送会社UPSでのAIESECインターンシップから始まりました。この経験がきっかけとなり、その後20年以上UPSで勤務することとなりました。

アメリカで7年、日本で4年、そしてシンガポールに戻ってからはディレクターとして、最終的にはシンガポールおよびマレーシアのマネージングディレクターを務めました。

2023年にUPSを退職後新たな機会を模索していた中で、最終的にGreenpacに惹かれた理由は二つあります。

第一に、地域社会に大きく貢献をしているシンガポールのローカル企業に、自身の専門知識を活かして貢献したいと考えたこと。

第二に、Greenpacのミッションが、私のこれまでの物流・オペレーション、そしてESG(環境・社会・ガバナンス)の経験と合致していたことです。同社は、ファミリーの価値観に基づいて持続可能な事業に投資するファミリーオフィスTreïsにより所有されています。

包装や梱包は、サプライチェーンにおいて見過ごされがちな分野ですが、その実大きな影響を与えます。私は物流分野で培ってきた経験を活かし、クライアントに対してより持続可能で革新的なサプライチェーン全体の改善提案を行っています。今の役割は、私のこれまでのキャリアと社会貢献への想いが交わる理想的な形です。

創業者による強い起業家型リーダーシップからの移行は、Greenpacにとって大きな変化だったと思います。戦略やKPIの枠を超えて、変革期におけるリーダーシップをどのように定義されていますか。

私たちが掲げるサステナビリティと革新的デザインへの取り組みは一貫していますが、創業者主導の文化からの移行には、意識と文化の変革が必要でした。強力な創業者を中心に築かれた組織では、どうしてもトップダウン型になりやすいです。

私のリーダーシップ哲学は、1人1人が自らの役割に責任を持ち、連携して機能する“精密時計のような組織”を築くことです。この仕組みにより、シンガポールとマレーシアで250名を超える社員を擁するGreenpacは、よりアジャイルでスケーラブルな体制を実現しています。

その実現のため、まずメンバーへの「権限委譲」と「自律性の強化」に注力しました。経営委員会の50%を新メンバーとし、新しい視点を取り入れ、全社的に「自ら考え行動する文化」を根付かせています。

最終的な目標は、指示で動くのではなく主体的に行動できる文化を築くことです。

オペレーション中心の企業からサステナビリティ中心の企業へと移行する際、「目的主導型」への変革ではリーダーシップの在り方はどのように変化しましたか。

Greenpacでは、サステナビリティは創業当初から組織のDNAの一部でした。創業者は「ゼロ・ウェイスト(廃棄ゼロ)」の理念を掲げ、この理念を体現する現事業所を、2012年に当時の副首相ターマン・シャンムガラトナム氏を迎えてオープンしました。屋根全面に設置されたソーラーパネルは、オフィスの電力を100%、操業の50%を賄うほどの発電量を持ちます。

したがって、私の役割は新しい理念を導入することではなく、既に確立された強力な基盤を尊重し、さらに発展させることです。「やるべきことをきちんと実行する」という行動を守りつつ、時代に合わせて生き残り、成長するための戦略を適応させることが私の使命です。

大きな変革期には、従業員の不安や抵抗も生じるかと思います。そのような状況で、どのように透明性のあるコミュニケーションを図り、不安を機会へと転換されましたか。

2024年2月にCEOとして着任した当初、組織には当然ながら不安と緊張がありました。私の最初のステップは、新たなビジョンを提示することでしたが、それはあえて「革新的なもの」にはしませんでした。あくまで「継承と進化」のビジョンです。

全く新しい方向性を打ち出せば、社内の人々を置いてけぼりにしてしまう恐れがあります。リーダーには、「真実」と「誠実さ」のバランスが求められます。

次に重要なのは「信頼を得ること」です。権限を与えられた立場として、私は常に最善を尽くす責任を持っています。そのために、現場に足を運び、耳を傾け、感謝を示し、必要な場面では毅然とした態度で臨みます。

私のリーダーシップは単一のスタイルではなく、全てのステークホルダー―取締役会、顧客、仕入れ先、社員―を最適にするための「奉仕の姿勢」です。真のリーダーシップは、中長期の計画よりも、日々の行動でこそ示されるものだと考えています。

全ての意思決定の基盤に、組織全体の幸福を置くことがとても重要です。

社員が安心して意見を言えるための「心理的に安全な場」をどのように作っていますか。

CEOという立場上、カジュアルな昼食会などで率直な意見を得るのは難しい場合もあります。そのため私は、形式的な場よりも、日常の行動やマネジメント層の姿勢の中で心理的安全性を築くことを重視しています。

マネージャー陣が恐れではなく信頼に基づいて運営できるよう、日々の対話の中で「傾聴」を文化として根付かせています。私自身がその手本となり、意見を受け入れる姿勢を示すこと、またマネージャーたちが自らの部下と真摯に向き合うよう促すことが重要です。

「オープンなコミュニケーション」を単発的な場ではなく、「文化」として定着させることを目指しています。

CEOとして就任後、社員の「納得感」を得るためにどのような取り組みをされましたか。

真の納得感は時間をかけて育まれるものです。私たちは、変革期のマネジメントチーム向けに「ADKARモデル」(Awareness・Desire・Knowledge・Ability・Reinforcement)を用いた研修を行いました。人は「否認」や「怒り」の段階を経て「受容」に至る――変化の心理的プロセスを理解するためです。

しかし、最も重要なのは「一貫性」です。ビジョンやミッション、そして「イノベーション」「パートナーシップ」「卓越」「サステナビリティ」「アジリティ」という5つのコアバリューを、日々繰り返し伝え続けています。

言葉と行動の一貫性を保つことで信頼を築く。それが本当の納得と受容を生む鍵です。

不確実性や失敗を認めつつもチームを導くという信念を、どう維持されていますか。

私は、失敗や挫折を「学びの機会」と捉えています。最近、マレーシアで大きなオペレーション上のトラブルが発生しました。最初に確認したのは「全員無事か」という点です。物的損害は取り戻せますが、人の安全は何より大切です。

この出来事は、私たちが一丸となって改善に取り組むきっかけとなりました。

正しいマインドセットを持てば、失敗は組織を強くする機会になります。

変革期に信頼を損なうリーダーの行動とは何でしょうか。また、もし信頼を損ねた場合それをどう修復しますか。

最も信頼を損なうのは「共感の欠如」です。真のリーダーシップとは、社員が安心して自分らしく働ける環境を築くことです。心理的安全性のない環境では、意見も創造性も生まれません。

米国の著者マシュー・フレイの著書『This is How Your Marriage Ends』に印象的な話があります。彼の離婚は「シンクにコップを置きっぱなしにした」ことから始まったと書かれています。しかし本質はその行為ではなく、繰り返される小さな無関心が積み重なり、相手の尊重を欠いたことにありました。

リーダーも同じです。変革期において社員の不安や感情を軽視すると、信頼関係は簡単に崩れます。

正しいかどうかよりも、相手を理解し共感する姿勢こそが、信頼構築の第一歩です。

Greenpacはアジア全域で展開していますが、文化の多様性にどう対応し、メッセージの一貫性を保たれていますか

幸いにも、私たちの製品は文化的に中立であり、チームも多様でありながら安定しています。マレーシアでは外国籍の従業員も多く、宗教や文化行事に偏らない「中立性」を重んじています。

どの文化を特別視することもなく、それぞれのプロフェッショナル性に焦点を当て、尊重し合う環境を維持しています。こうした姿勢が、一貫性のあるメッセージと文化的受容を両立させています。

多国籍大企業と比べてリソースが限られる、中小企業のGreenpacのような企業から、大企業が学ぶべき点はありますか。

大企業は豊富なリソースを持つ一方で、機能分化が進みすぎると、個人の成長機会が限定される傾向があります。Greenpacのような中小企業では、社員1人1人が複数の役割を担い、幅広いスキルを身につけます。これにより、社員が自らの殻を破り、個人の成長と企業の発展を同時に実現できます。

例えば、IT担当者がサステナビリティリードを兼任したり、調達担当が価格戦略を主導したりしています。私たちは、クロスファンクショナル(部門横断型)の委員会を設け、在庫管理やサステナビリティ向上などの課題解決に取り組んでいます。そして成功したチームには、昇給などの形で成果を評価しています。

この柔軟な仕組みにより、社員は自らの成長が企業価値向上に直結することを実感できます。

新しいスキル習得と挑戦を通じて、自分の貢献を可視化できる環境が、主体性とイノベーションを生む原動力となるのです。

新任リーダーが変革を任された際、最初の90日で最も重要な行動とは何でしょうか。

まず「最初の90日」という考え方を見直すことをお勧めします。多くのリーダーは就任直後に変化を急ぎたくなりますが、私はまず「観察と理解」を優先すべきだと考えています。

入社直後は、問題点ばかりが目につきがちですが、それらは自分の過去の経験に基づくバイアスである可能性もあります。

最も重要なのは、すぐに行動するのではなく、「なぜその仕組みが存在するのか」を深く理解しようとすること。表面的な問題の裏には、チームを支える「役職は無いがリーダー的存在」や「人間関係の力学」があることも多いのです。

早急な「修正」は、時に組織のバランスを崩します。真に理解するまで現状を保つ勇気と自制が、リーダーには求められます。

このようなチームを率いるには強いレジリエンスが求められます。リーダーとして自身のエネルギーと意志を維持するために、どのようなことを意識されていますか?

私は「完璧でない自分を受け入れる」ことを心がけています。自らの欠点や限界を受け入れることで、持続可能なリーダーシップに必要なバランスとエネルギーを保てるのです。

もちろん、私はステークホルダー全体の利益を実現するために、常に最善の判断を下すよう努めています。しかし、最終的には私も一人の人間であり、自分の限界を受け入れて前に進むように意識しています。

変革を進める上で、リーダーが「やめるべきこと」を一つ挙げるとすれば、それは何でしょうか。

リーダーは、「正しいリーダーシップ像」を探すことをやめるべきです。リーダーシップに「これが正解」という形はありません。最も重要なのは「その立場の本質」です。すなわち、リーダーは株主、顧客、サプライヤー、社員といったあらゆるステークホルダーの利益を最適化し、支えるために存在しているということです。

その責任を果たすためには、常に状況に応じて最適な行動を取る必要があります。場合によっては、話すことをやめて「耳を傾ける」ことが求められます。その瞬間に必要な行動を取ることこそが、真のリーダーシップです。

CEOは常に多忙で休む間もないというイメージがあります。どのようにしてキャリアとシンガポール陸軍でのボランティア活動の両立を図っているのですか。

私にとって陸軍でのボランティア活動は、CEOとしての仕事との理想的なバランスをもたらしてくれる存在です。活動を始める前は、基礎軍事訓練(Basic Military Training)を受けました。決して簡単ではありませんでしたが、その厳しさが自分を高めてくれたと感じています。この経験は、完全に思考を切り替えるきっかけを与えてくれます。

特に「展開(Deployment)」の時間を楽しんでいます。日常業務とは全く異なり、戦略を立てたり意思決定を下したりするのではなく、ただ「命令に従う」という行動を取る。それが私にとって、非常に新鮮で心のリセットになるのです。

この経験を通じて、私はシンガポール社会の別の側面を知り、さまざまな背景を持つ人々とつながることができました。それ以来、軍務に携わる男女に対して深い尊敬の念を抱いています。

彼らがどれだけ厳しい訓練を積み、何のために実際に使うことは望まない武器の扱いを完璧に習得しているかを想像してみてください。その精神的な規律と忍耐力は驚くべきものです。彼らは愛する国と人々を守るという強い使命感のもとでこの任務に取り組んでおり、その一員であることが、社会を支える土台への深い感謝の気持ちを私にもたらしています。

Imakita Chika, Greenpac CEO

今北 千佳 氏 プロフィール

Greenpac 最高経営責任者(CEO)今北 千佳。 20年以上にわたりサプライチェーン分野に携わり、専門性と環境への関心を持つ経営者。 革新的かつ持続可能な産業用パッケージングソリューションを提供するGreenpacを率い、同社を廃棄削減と効率向上を両立するエコデザインの先進企業へと導いている。 同社は東南アジアにおける受賞歴のあるリーダー企業として広く認知されている。